だいたい吉祥寺に住まう

ゆるく楽しく、
都市住まいをする大人のために

2025.03.10 更新

フナダマさん

もう一ヶ月以上経ってしまったが、一月十一日は「船魂さん」である。この日、漁船は全て休漁で、満艦飾にかざりたてられ係船している。船の正月休みみたいだ。乗組員は皆、船主の家に集り神事、船の安全と大漁を祈願する。船の神は女性とされ、建造時、舳先に身内の女性の髪を埋めこむという。

この日の私のイメージは、沢山ののぼりや大漁旗で包まれた漁船が並ぶきらびやかな港の光景、そして昼日なかから酔いどれた漁師たちの姿である。四人、五人と若いモンが肩を組んだり、大声で唄ったり、千鳥足で酒場を経巡る。見ているこちらさえ、心地好くなるくらいだ。

そうした船魂さんの情景も、近年、殆ど見かけることも無くなった。酔っぱらいも漁村の風景だったのだが。

高田則雄

地中海世界の歴史5