だいたい吉祥寺に住まう

ゆるく楽しく、
都市住まいをする大人のために

浦河通信

故郷の北海道浦河町に戻って、数えてみたら40年以上が過ぎました。
大学卒業後に東京で仕事をしていた時期もありますが遠い昔になりました。
道内の新聞にエッセイを連載して以来の執筆です。ここでは北海道で暮らす様子を楽しみながらお届けします。

高田 則雄

2025.03.21 更新

セリ前の市場でのこと、集った仲買人たちが雑談をしている。出漁船、狙いの魚種、漁獲の見込等々。その中に見馴れない話題がふと入った。
”寒に降る雨はな、イカになるんだ。 今年はイカが来るぞ”  ”ホントかよ。それならいいなあ” 外は冷い雨。

浜にはこうした俚諺がゴマンとある。おそらく、浜に上がるすべての魚にこうした言い伝えが貼りついている。
東京から家に戻った頃、セリ場に並んだ魚を見ても殆ど名前が判らなかった。カレイなど十種類もいるのに、名が判るのは三種ほど。

こうして時間の中で魚の名も用途も漁獲法も知り、商売に繋げてきたのだった。そう思うと、自分もまた 浜の伝承の一部なりともを担う身になったのかなと、少しばかり感動する。

高田則雄

地中海世界の歴史5