2024.11.14 更新
秋の日差しの中、今回もデザイナーである担当者が井の頭公園で撮影をしてくれました。
フクロウの可愛さ、こっちが眠くなりそうな羊、そして恵を感じる水の写真、その中でも、ヤクシカの姿が目に留まりました。飼育されてるとはいえ、そうか吉祥寺にヤクシカがいたのかあ、とふと屋久島のことを思い出しました。
屋久島は、作家・林芙美子が「ひと月に35日雨が降る」と表現したくらい雨の多い島です。実際にデータを見ると降水量は日本で一番多いらしい。屋久島は東京と比べると3倍以上の年間降水量です。そんなところに住んでいるはずのヤクシカは、雨が多くなくても元気でいられるのか、暑すぎた東京の夏に嫌気がささなかったか、どうなのかは想像するしかないです。
10数年前に一度だけ、屋久島に行った時は、確かに雨が何度も降っていました。島はほとんどが山と言っても過言ではない地形で、真ん中が隆起してできた島と説明を受けた記憶があります。宿泊先の窓からは、モッチョム岳というぽっこりとした山が見え、その奥の方も緑豊かな景色が連なっていました。そこで生まれて初めて見たのは、モッチョム岳の左手に見える側が広く遠く雨が降っており、右手がお天気という様子。それが時間と共に雨が移動していき、天気が良かったエリアに雨が降っていく、という姿でした。ずっと見ていても飽きない不思議な風景でした。
写真のヤクシカは、静かに地面から何かを探しているようです。でも、たまには緑と雨の中でぴょんぴょん飛び跳ねたいかもしれない。
そんなことを勝手に思い、遠い屋久島の自然が豊かな様を、ぼんやりと思い出すのでした。