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2025.01.17 更新

『地中海世界の歴史 勝利を愛する人々 共和政ローマ』 第5巻発売 本村凌二

ローマ史研究者本村凌二さんによる、古代地中海文明の全史を描く全8巻シリーズも折り返しというべきか、第5巻が1月16日に刊行されました。
いよいよ著者の専門分野でもあるローマが主役です。
以下はアマゾンの説明。
 

4巻までに描かれた、ギリシア文明とヘレニズムの時代と並行して、イタリア半島ではローマ人が着々と力をつけていた。紀元前753年に建国伝承を持つローマは、7代の王政の後、ローマ人がエトルリア人の王族を追放して、前509年、みずからの国家を樹立する。徹底して「王の独裁」を嫌うローマ人の国家は、著者によれば「共和政ファシズム」と呼ぶべき政体で、国内では共和政を貫きながら、国外には覇権主義を振りかざし、困難な時ほど力強さを見せるようになる。
ローマ人はギリシア人と異なり、何よりも故国の土地にこだわった。新天地に植民都市を築くのではなく、ひたすら国土を広げ、祖国を強くするために戦った。この「祖国」というものこそがローマ人の発明であり、それを守るために、父祖たちの遺風と伝統を重んじ、勝つことにこだわったのである。
こうして、前3世紀半ばまでにイタリア半島を制したローマ人の前にたちはだかったのが、カルタゴだった。東地中海沿岸を故地とし、航海と商業で栄え、アルファベット式の文字を開発した地中海古代史の一方の主役、フェニキア人の国家である。名将・ハンニバルを擁するカルタゴと、スキピオ率いるローマの戦いの帰趨が、その後の地中海世界の大きな転換点となる。


読み進めていくと著者がなぜ8巻でまとめたかったのかが、うっすらと見えてきました。 この後も楽しみな本シリーズは、講談社選書メチエの30周年記念でもあるそうです。

地中海世界の歴史5