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2024.10.09 更新

10月12日(土)リーディングパフォーマンス「ヒガヨン・セラ」2回公演

映画監督、山本草介さんから、公演のお知らせをいただきました。
緊張感と偶然性が漂うパフォーマンスが今から楽しみです。

リーディング・パフォーマンス〈ヒガヨン・セラ〉vol.5

2024年10月12日(土)2回公演
第1公演:14:30開演(14:00開場)/第2公演:18:30開演(18:00開場)
会場:EARTH+GALLERY(江東区木場3-18-17)
チケット:前売 2,500円 / 当日 3,000円

山本草介さんメッセージ

5年前くらいから、詩人の奥間埜乃さんと、藤原安紀子さんと、パーカッショニストの田中教順さんと「ヒガヨン・セラ」というチームを作って、言葉と音楽と映像のコラボレーションをやってきました。この舞台は、演劇でもダンスでもなく、朗読会とも違う、ジャンル分けがよくわからない空間なのですが、とても楽しい。
二人の詩人が自分の作品ではなく、小説や図鑑や観光案内などジャンルを問わず、古今東西から世にも不思議なテキストを持ち寄り、朗読し、それを聞きながら田中さんが即興で音楽を奏で、僕も即興で映像を撮り、スクリーンに投影するという舞台です。
二人の選んだ「言葉」に心を浸しながら、田中さんの音楽が生まれ、それに僕も反応しカメラを動かすのですが、二人の言葉も音楽も一筋縄ではいかない。言葉はぶつ切りだし、同時に放たれて混じってる時もあるし、突然、言葉を掻き消すくらい強烈なドラムが始まるし、田中さんは太鼓を叩きながら詩人たちの言葉をその場で録音して声色を変えて繰り返し流すし、それにまた詩人たちの言葉がかぶさっていくし。言葉の洪水はだんだん意味から離れ、音楽のようにもなっていくし。
で、これは何?と困惑する方もいるかもしれませんが、僕、個人的には「空気の揺れ」だと思っている。山に向かって「やっほー」と叫んだ声が山々に当たって遠くまで広がっていく感じと言ってもいい。
お互いの発するものがお互いを挑発し、空気が揺れる。その感覚が自己満足かもしれないけれど、楽しい。

今回、演出に伏木啓さんを迎え、我々四人の妙な時間を客観的に見せる空間へと変えてくれている。
元々、詩人の奥間さんと僕は大学時代のドキュメンタリー映画上映サークルの仲間だったのですが、卒業後20年近く経って、突然、一緒に何かやらない?と連絡が入り、不定期に集まってはこういう遊びのような、実験のようなことをやるようになったのです。50前の大人が集まって「訳のわからないこと」を必死にやるのは、ある意味滑稽だなあと思う。でも、うちのこどもたちの砂遊びだって真剣なのだから負けてはいられない。
今回で五回目となり、はじめて単独で場所を借りて一日限りの公演をする運びとなりました。6歳の息子がチラシを見ながら、「これ何をやるの?」と聞いてきたので、「詩をみんなの前で読んだりするんだよ」と伝えると、「父ちゃん、詩って何?」と聞かれてしまい、僕は言葉に詰まったのですが、リハーサルを繰り返すうちに、この舞台こそが「詩」が生まれるところ、というふうになれば、息子にも何かの答えとなりうるのではないか、と燃えています。昼夜の一日二回公演です。よかったらぜひ!