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2024.12.23 更新

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024)

古代ローマが繁栄していた時代が映画の舞台設定だ。前作『グラディエーター』公開から24年過ぎたのに、今年で87歳のリドリースコットが監督だというのもすごい。執念とでもいうのだろうか。
主人公ルシアスは、戦いに敗れローマ帝国の捕虜となり、剣闘士(グラディエーター)となる。
彼は腕っぷしも強いが頭もスマートで、戦いを通して注目を浴びていく。ネタバレになるので詳しく記さないが、実はルシアスの出自は、ローマ帝国の中枢と深く関わっておりそれがわかると権力者のポジションをも揺るがしかねない力を持っているのが、物語の進行と共にわかっていく。

見どころはいくつもあるのだが、その中でも円形闘技場内に、水を張り船での戦いシーンがある。ローマ関係の資料にも円形闘技場で水を使って戦った記録があるらしい。しかしそんな大量の水をどのように漏れないように貯めたのか、水が豊富なローマとは言ってもどこから持ってきたのかとか冷静に考えると気になるところ満載だけど、もう楽しむのが勝ちということで気にしないことにした。
そして服飾にも目が行った。この時代がかなり豊かなのだろうと、登場人物たちの衣装やアクセサリーから伝わってきた。
またデンゼル・ワシントンが演じる奴隷商人が、非情さと心の揺らぎも感じられ、どんな人物なのか興味が湧き、そしてさすがの演技力である。観る前から、彼がどんな役どころなのか注目していたが、脱帽するしかない演技だった。
全体を通して見れば、愛と正義と誇りがテーマ、というところか。

久しぶりに大作を観たなと思える一作。これは映画館の大きい画面で観たい作品である。

2024.12.19(M)

星評価 4.0
地中海世界の歴史5