ルーヴル美術館の繋がりでもう一枚選んでみた。
「サモトラケのニケ」は、何度見てもハッとさせられ心を大きく揺さぶられる作品である。
大理石でできているギリシャ彫刻の傑作、勝利の女神ニケは、エーゲ海のサモトラケ島で見つかった。
ルーヴル美術館の展示場所は、これ以上にふさわしいところはないだろうと思えるような階段の踊り場(ダリュの階段踊り場)に据えられている。心の準備をして正面の遠くから眺めて近づいても、階段を登り準備なく突然目の前に現れようが、ニケの周りに漂う圧倒的な空気を感じ、作品の力強さと流れてきた時間の重さを受け止めきれないで、ただ見入るだけである。