初代ローマ皇帝のアウグストゥスは、皇帝になる前はオクタヴィアヌスといった。古代ローマ史に名を刻むカエサルを叔父に持ち、後継者となった彼は、平和の時代が始まる象徴のような人物である。もちろん、カエサルが他界した後の様々な戦いはあったが、いずれは戦いの時代が終わり平和な時代を統治する人間が必要だとカエサルは予想していたのごとく、知にたけたオクタヴィアヌスはその後に台頭していく。
オクタヴィアヌスは、美しい男だったらしい。それは大衆にとって、新しい時代の明るい象徴ともなったであろう。
写真にあるラビカナ街道のアウグストゥスは犠牲者を祈っている彼の像である。彼が、為政者というだけでなく、宗教的な指導者でもあったと思われる像である。そして背景を知らなくても、本当に美しい像であった。