1980年代から、ほぼ毎年ヨーロッパを中心に古代ローマの遺構に足を運んでいます。
古代ローマの足跡は非常に広範囲で残っており、現地に訪れると書物からだけでは計り知れない歴史が、実感として伝わります。
コロナ禍になってから、今の所は海外へ行けないままの数年が過ぎました。
ここでは、20年以上前のフィルムで撮影した写真や数年前の写真を織り交ぜてお見せします。
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本村凌二(Motomura Ryoji) [西洋史家 東京大学名誉教授]
2025.02.21 更新
昨年末にテレビ朝日からの依頼で「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」という番組の監修を行った。3時間スペシャルと銘打ってポンペイ、ソンマ・ヴェスヴィアーナ、ローマの世界遺産や遺跡を巡る番組である。普段は入れない場所や、私には懐かしい場所も映像で目にすることができた。
その中で、ローマにあるピラミッド(ガイウス・ケスティウスのピラミッド)も取り上げられていた。
2010年9月に撮影した私の写真では、苔や汚れがかなり目につくが、建築から2000年以上を経て2012年から2015年に日本の会社が修復し、今では白く美しいピラミッドになっていた。番組を見て、ローマ史にも目を向けてくれる方がもっと増えたら喜ばしい。

2024.12.25 更新
初代ローマ皇帝のアウグストゥスは、皇帝になる前はオクタヴィアヌスといった。古代ローマ史に名を刻むカエサルを叔父に持ち、後継者となった彼は、平和の時代が始まる象徴のような人物である。もちろん、カエサルが他界した後の様々な戦いはあったが、いずれは戦いの時代が終わり平和な時代を統治する人間が必要だとカエサルは予想していたのごとく、知にたけたオクタヴィアヌスはその後に台頭していく。
オクタヴィアヌスは、美しい男だったらしい。それは大衆にとって、新しい時代の明るい象徴ともなったであろう。
写真にあるラビカナ街道のアウグストゥスは犠牲者を祈っている彼の像である。彼が、為政者というだけでなく、宗教的な指導者でもあったと思われる像である。そして背景を知らなくても、本当に美しい像であった。

2024.10.23 更新
トルコ西部エフェソスの100キロほど北にあるペルガモンは、ヘレニズム時代の古代都市である。紀元前3世紀半ばから2世紀に栄えた。
写真のペルガモンの劇場跡を含め、世界遺産にも登録されている地域。
トラヤヌスの神殿、ゼウスの大神殿、最盛期にはアレキサンドリアに等しいくらいに充実していたという図書館など、様々な文化を感じる跡が残っており歴史家の想像をかき立てる地域である。
2024.09.17 更新
ルーヴル美術館の繋がりでもう一枚選んでみた。
「サモトラケのニケ」は、何度見てもハッとさせられ心を大きく揺さぶられる作品である。
大理石でできているギリシャ彫刻の傑作、勝利の女神ニケは、エーゲ海のサモトラケ島で見つかった。
ルーヴル美術館の展示場所は、これ以上にふさわしいところはないだろうと思えるような階段の踊り場(ダリュの階段踊り場)に据えられている。心の準備をして正面の遠くから眺めて近づいても、階段を登り準備なく突然目の前に現れようが、ニケの周りに漂う圧倒的な空気を感じ、作品の力強さと流れてきた時間の重さを受け止めきれないで、ただ見入るだけである。

2024.08.16 更新
パリでのオリンピックは、日本勢のメダルラッシュで終わったようだ。この後のパラリンピックも、同じ温度感で注目したい。
しばらくパリもご無沙汰だが、パリに行ったらほぼ毎回ルーヴル美術館に足を運んでいる。ルーヴルはかなり広いので、一度に全体を見学するのは無理だし、何度行っても何かしらの発見がある。
サンジェルマンデプレに定宿があり、そこからセーヌ川を目指して、ルーヴルまで何度歩いたことだろうか。
写真は、ルーヴル美術館メインエントランスに入って、内側のガラスのピラミッドから外を見た様子である。