先日、所用で山の集落へ出かけた妻が、刈り取りの終った田圃で、数十羽のハクチョウを見かけたという。そういえば先月末、道東の春国岱の調査で、二千羽からの同鳥が来ているというニュースを見ている。この季節、ハクチョウ達は冬の寒気を連れて、シベリアから北海道へ渡って来る。
町内の三筋の河川の流れ緩やかなあたり、幾組かの集団が屯っている。水面に尻尾だけ出して逆立しながら水草を喰んでいる。その姿につい笑ってしまうのだが、いつも水面にすっくと浮かぶ端正な姿に見とれてしまうからなのだ。
‟瓢湖あたりまで行ったかな?” 道内の湖沼河川が凍ったら、かれらは皆、南へ渡って行く。
高田則雄

